ブラックロック・デザートは標高1191m (3907フィート)の山岳地帯に位置し、東側をジャクソン山脈、西側をキャリコ山脈に挟まれた盆地である。このアルカリ塩が堆積した土地「プラーヤ」には、サボテンすら生えず、サソリもゴキブリも生息していない。外観はユタ州のボンネビル・ソルトフラッツに類似するもので、灰色の乾いた泥地が見渡す限り広がっている。表面が平坦かつ堅く引き締まっているため、自動車による世界最高速度記録の舞台としても使用された。
砂漠気候に属する高地であるため日差しは強く、日中の気温はバーニング・マンが開催される8月最終週には摂氏35度にまで達する。しかし太陽が山の端に隠れるや否や、水分に乏しい大気や地面の温度は急激に低下し、日の出前には摂氏4度程度にまで冷え込む。真夏と真冬が同じ一日の中で切り替わる、まるで月面のように極端な自然環境である。このため参加者は防暑衣と防寒着を事前に準備し、自らの判断で適宜着替えて身を守らねばならない。また極度に大気が乾燥しているため、昼夜を問わず喉の渇きを覚える前に積極的に水分を補給し続けなければ容易に脱水症状に陥ってしまう。
山脈のない北東、あるいは南西からの風が常に吹き込み、乾ききった湖底の泥を舞い上げる。砂というよりは小麦粉や消石灰のような非常に粒子の細かい粉末であるため、容易にテント内や車内に侵入し降り積もる。粉塵はカメラやパソコンなど精密機械の内部にも入りこみ故障が多発する。強風により舞い上がった砂塵が竜巻の姿をとったり、台風のように吹き荒れる砂嵐に街全体が飲み込まれることもしばしばである。砂嵐のなかでは視界が文字通りゼロとなり、伸ばした自分の手の先すら見えない(ホワイトアウト)。粉塵防護ゴーグル無しでは目を開けることもままならず、呼吸には防塵マスクが必須である。設置したテントが強風に煽られて崩壊したり、巻き上げられ飛ばされてしまうことも珍しくない。また、急な豪雨に見舞われることもあり、暴風雨が何時間か続くこともある。この場合には会場全体が泥沼と化すため、地面が乾ききるまで外出は不可能となる。